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《赤井夢》Happiness{R18}

第41章 返礼




「ありがとう…とても嬉しいです。
…開けてみてもいいですか?」

『はい!気に入って頂けるかどうか分からないですけど…』



昴さんは包装紙を取り除き、露わになった箱をパカっと開いた。



「!!……これは…」

『以前私が昴さんにもらった時計と同じデザインの時計です。
ペアウォッチ、って事になっちゃいますけど…』

「…。」



昴さんはジッとその時計を見つめるだけで
何も言葉を発しなかった。


やっぱり初デートでいきなり時計は重かったかな?
もしくはデザインが気に入らなかったとか…?

それとも時計はもっと高価な
ロレックスみたいなものが好みだった…!?



次々と嫌な考えばかり思い浮かび
どうしよう、と不安に駆られていると
昴さんは箱から時計を取り出して私に渡して来た。



「付けてくれますか…?」

『っ、え…?あ、はい…』





赤井さんは左利きだから…

レフトハンドモデルの時計を受け取り、彼の右手にカチッとはめた。
その時計は私が以前もらった
ピンクゴールドの時計と同じメタルバンドで文字盤の色は黒。


赤井さんの手首は私より少し大きいから
何となくでサイズ調節したけど、意外とピッタリだった。



「…恋人に時計を贈る意味は知ってますよね?」

『はい…これからも一緒に過ごしたい…
同じ時を刻みたいと思って選びました。』

「女性から男性に贈る場合は別の意味もあるんですよ?」



別の意味…?


なんだろう…
そこまで調べたことはなかったから分からなくて
昴さんに教えてください、とお願いをした。








「"あなたの時間を束縛したい…"という意味ですよ。」


『なっ…!?!?』



し、知らなかった…!!!

っていうかそれ……

めちゃくちゃ重い意味じゃん!!




『ご、ごめんなさい!私そんな意味があったなんて
本当に知らなくて……!重いですよね!?』



慌てながらそう伝えると
昴さんは微笑みながら私の手を握って来た。




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