第4章 愛情いっぱい塩むすび
翌日は早起きして開店の準備に取り掛かった。朝からお米を仕込んで炊いている間に具材を切る。私の時代にはサランラップという便利商品があるけどこの時代はない。お米が炊き上がったら塩水を用意して手を浸したら熱くならないようにして、おむすびを握っていく。仕込みが終わったらお店の掃除を行なった。そして朝の七時とともに暖簾を出してお店を開店させた。初日とだけあって沢山のお客さんで賑わった。
マヨネーズの味を知らない人ばかりだったので作る工程から説明してあげた。
おむすびも一品料理も好評であっという間に売れていった。売り切れるといけないと思い、少し多めに用意した食材も夕方にはほぼなくなった。
「となると、お昼の時間終わったら一旦仕込みの時間を作った方が良さそうね。ちょっと時間配分を考えないと。」
この日はなんとか終わったが、終わってみれば課題も残ってしまった。歯磨き粉や歯ブラシは今まで通りでいいとしてやっぱり、時間配分は大事だなと思った。
お店を閉める前に売上を確認した。初日にしては上々の出来だった。しかしここからが問題なのだ。この先、お客さんに飽きられないように工夫を凝らしていかないといけない。
「期間限定のメニューをもっと考えないと。」
今月はしば漬けとひじきの煮物にしたのだが、インパクトに欠けるのだろうか?
「私のいた時代だと何食べていたっけ?」
まずは大手コンビニエンスストアの品を思い出してみた。おにぎりコーナーって何があったかな?
いや、待ってよ。お米が手に入ってパンケーキができたならサンドウィッチできるのでは?とも考えたけどイースト菌とかどうやって作る?発酵させるにはどうする?でもサンドウィッチまで作ったらおむすび屋の意味がなくなってしまうのではないだろうか?
「そうだよね。やっぱお米だよね。」
それなら期間限定でどんぶりものを作ってもいいし。天丼とか?お茶漬けもいいかも。それなら朝に出してもいいし。アイディアは色々浮かぶけど果たしてそれが無事に商品化するかは別問題だ。
お店を閉めた後は自分の夕食を適当に作り食べながら考えた。
お休みの日に期間限定メニューをもう少し考えようと思った。