第4章 2度目の事件
「雅美さん、近くにいるの?」
走り出したお兄ちゃんについて行きながらそう質問する。
普段のお兄ちゃん相手なら走りながら会話なんて体力が持たなくてできないが、さすがに小学生の足になら余裕だ。
コナン
「ああ!しかも発信機の位置がさっきから動いてるんだよ!!」
「ってことは雅美さんは生きてる!」
生存は絶望的かと思われていた状況に希望が見えてくる。
コナン
「まだ生きてるかもってところだけどな。でもこの角の先に…!」
この先に雅美さんがいるかもしれない。
逸る気持ちを抑えつつ、私達は角を曲がった。
「…本当にここに雅美さんがいるの?」
コナン
「あ、ああ。発信機のレーダーだとこの中にいるみたいだけど…」
角の先にあったのはパチンコ屋。
店の前で足を止めたお兄ちゃんに確認するが、お兄ちゃん自身も戸惑っている。
こんな所に高校生の雅美さんが入れるのだろうか。
「どうしよっか。私達だけだと入るのは難しいんじゃ…」
そもそも小学生と中学生の私達が探しに行く事も厳しいはずだ。
今からでもおじさんへと連絡すべきか話し合おうと思った時だった。
コナン
「やべぇ!!」
「ちょっと!?」
その一言だけ残してお兄ちゃんはパチンコ屋へと駆け込んで行ってしまった。
メガネのレーダーを見てから焦っていたので、中で動きがあったのかもしれない。
「うーー」
雅美さんを探す為について行きたい。
だが、ここに入ったとお父さん達にバレた時の事を考えると躊躇してしまう。