第4章 2度目の事件
警視庁でおじさんはいくつかの情報を得ていた。
ロープなどから被害者以外の指紋が見つかっているから他殺で間違いないこと。
金目の物が全て持ち出されているので、目的は金だと思われること。
首に残った手形が大きかった為、犯人はかなりの大男だということ。
そして雅美さんについては、彼女の痕跡は現場に残されたメガネだけで生死は不明だという事だった。
「…ねえ、お兄ちゃん」
コナン
「ん?」
今にも涙を流しそうな蘭姉ちゃん。
それを慰めながら励まそうと声をかけるおじさんの後ろで、私は足を止めてお兄ちゃんに話しかけた。
「…発信機ってメガネに付けたんじゃないよね?」
コナン
「…そうか!あれを追えば!!」
質問の答えにはなっていない。
でもこの返答からすると、メガネではない所に付けているようだ。
「おじさん。先に帰って貰ってもいいですか…?」
小五郎
「今からどこか行くのか?」
蘭姉ちゃんがこれだけ気落ちしているのだ。
私達の事も同じように気にしてくれているようで、早く家に帰ろうとしていたおじさんは心配そうな表情を浮かべている。
「ちょっとコナンくんと一緒に気持ち切り替えたいなって…」
小五郎
「…そうか。遅くなる前に帰ってくるんだぞ」
どこに行くかなどは敢えて聞かないでくれたのだろう。
じゃあなと手を振り、2人は探偵事務所の方へと去っていった。
コナン
「おし!じゃあ雅美さんのところへ行こう!」
それを見届けてから私達も動き出す。
目指すは雅美さんに付いている発信機だ。