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《降谷夢》bonheur {R15}

第73章 隻眼




「…メール、誰から?」

『んー…、仕事関係のだから…
ちょっと席離れるね。』




届いたのは風見さんからのメール。



子供に見せるような内容じゃなかったから
私は何か言いたそうな顔をしてるコナンくんに目を向けて立ち上がった。






『…そんな顔しなくても、君がしてた事は
蘭ちゃんに黙っててあげるって。』


「…。」





微妙な顔付きになった探偵ボウヤに微笑んだ私は
新幹線の通路に出て、車両と車両の間のスペースへと移動し、風見さんから送られてきたメールを開いた。






『捜査資料…、わざわざ送ってくれたんだ…』





風見さんから送られてきたのは
雪崩事故の時の詳しい捜査資料。





書かれていた内容は、雪崩にあった刑事が
私も以前一度だけ会ったことがある大和敢助警部であること。


大和警部は、8年前に起きた
銃砲店強盗傷害事件の犯人のうちの1人…
御厨貞邦を追っていて、雪崩にあった。



御厨は、その強盗事件で懲役三年となり
6年前に仮出所していたが、すぐに失踪。



その御厨を、10ヶ月に長野の未宝岳で
大和警部が発見したが、御厨は運良く雪崩から逃れ
そのまま山に潜伏。


そんな御厨を山で見つけ、再逮捕したのが
諸伏くんのお兄さんである諸伏高明警部…。
御厨は現在、山梨刑務所で服役中とのこと。



大和警部は雪崩に遭ったことで行方不明だったが
雪崩の方角から、長野ではなく、山梨県にいる可能性を考え、山梨の麓の病院で、大和警部を発見…。



大和警部を山で発見し、
電話ボックスから救急車を呼んだ人物は不明…
電話の受話器など、指紋は採取されなかったそうだ。






『大和警部って確か……あの時の…?』






零くんとコナンくん、
毛利探偵と4人で長野にある廃教会へ行った時に会った人だ…。



隻眼で杖をついていたし
初対面なのに私に怒鳴ってきた人だったから
強烈すぎて記憶に残っていた。




…初めて会った時のことを思い出しながら
私は苦笑いを零し、2通目のメールを開いた。








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