第3章 下忍・アカデミー編
「今日から君達はめでたく一人前の忍者になったわけだが…。
しかしまだまだ新米の下忍。本当に大変なのはこれからだ!」
担任の海野イルカである。
「えー…これからの君達には里から任務が与えられるわけだが。今後はの3人1組スリーマンセル班を作り……各班ごとに一人ずつ上忍の先生が付き、その先生の指導のもと、任務をこなしていくことになる」
その言葉に、各々、様々な思惑が頭の中を駆け巡った。
「まず、第零班」
ぴしりとした緊張が教室に駆け巡った。
「 髏々宮カルタ」
『はい。』
全員に緊張が走った。
髏々宮カルタは、くノ一では数年ぶりの首席であり、体術の成績以外は”あのうちはサスケ”を抑えてトップである。
なにが言いたいかというと、客観的に見て”あたりくじ”だった。
──もっとも、あたりなのはそれだけが理由ではなかったが。
「…皆、お前とチームになりたいのだ。なぜなら、お前は人気者だからな」
『私はシノくんがチームに来てくれると嬉しいな。』
「そういうことを気軽に言うべきではない、なぜなら──」
「緋願ムクロ、カバネ。以上三名だ!」
イルカの言葉に、大柄で、どこか猛禽類のような獰猛さを伺わせる男ふたりが返事をした。
ふたりとも、まるで鏡合わせのような顔貌をしており、違うところといえばギラギラしたオッドアイの虹彩が左右異なることくらいだろうか。
『残念。シノくんとは別だね』
「緋願兄弟か。苦労するな」
『私はあのふたり、結構気に入ってるんだよね』
双子のうちのひとり───琥珀のようにキラキラした金色が右眼なのでムクロの方である───が、ヒラヒラとカルタに向かって手を振った。カルタは、にっこりと笑ってそれに振り返した。
「次────」