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【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第25章 第二十四話 アレンを追って


「お前はどうなんだ?」
「え?私?」

そういえば自分が遮ったけど神田が言いかけていた言葉があったなと思い出す。

『モヤシが覚醒した時、……おまえは』

特に何の問題もないけどと答えると、神田が訝しげな視線をユキサへ向ける。

「…アルマが言っていた。お前、ノアのように金色の目をしていたと」
「え…!?」

一瞬動揺した表情を、神田は見逃さない。
どういうことだと問い詰められて、適当に誤魔化そうとしていたユキサは慌てる。

「(神田と言えど、さすがにメモリアの事は話せない…)ア、アルマに見られてたんだね…」
「………」
「あ、あのね。本当に体はなにもなくてね…。ただ、たまに左目が金色になる事はあって」

自分でも分からないと答えるが、神田はユキサをじっ…と見つめている。
やっぱり誤魔化せないかと諦めようと思った時、本当に体は問題ないんだな?と神田が問いかけた。

「え?う、うん、大丈夫だよ…?」
「分かった」

目が金色になったという事しか神田も知らない。
それもアルマが見かけただけで、神田は見ていない。
ユキサが本当に知らないと判断したのか、問い詰めても答えてもらえないと思ったのか、神田はそれ以上聞く事はなかった。

団服に着替えながら、ユキサが部屋を出る。
先に外で待っていた神田が寄りかかっていた壁から体を起こした。

「神田。私はルベリエ長官に話をつけてくる」
「俺も行く」
「ううん大丈夫。神田は彩音と不二に話をしてきて」

2人は任務から戻ったばかりで任務は入っていないだろうし、この時間帯なら食堂にいると思うとユキサは言う。
アレンの元へ向かうと決めた時、ユキサは彩音と不二も連れて行くと言った。
自分が計画の手伝いをやめる事で2人に白羽の矢が立つと思ったからだ。
それに…2人はアレンが教団を飛び出した日、記憶が無いと言っていた。
教団内で何かが蠢いている、そんな所に2人を置いてはおけない。

ルベリエの元にユキサを1人で行かせるのが嫌なのか、神田はなかなか承諾しなかった。

「本当に大丈夫!もし何かされそうになったら、最悪言霊使うから」

既に一度、ルベリエには強制の言霊を使った事がある。
だから躊躇いはないと言うと神田は少し驚いたようだった。
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