第22章 第二十一話 第三使徒計画
二度と教団へは帰さないって言ったよね?
デザイアスが不気味に笑った時、導管と共にアルマが取り出された。
キミが自ら進んで教団を捨てられるようにしてあげまショウ♪と伯爵が楽しそうに言う。
誰…?と事情を知らないアレン、彩音、不二は呟いた。
「アルマ=カルマ。私たちサードの第一母体です…。元は神田ユウと同じ、人造使徒の被検体」
「え…?神田とおな、じ…?」
トクサの言葉に3人が神田を見た。
人造使徒…神田が?
そしてあの人も…?
「誰だそいつは」
…ん?と周囲が固まった。
あれ?神田と知り合いじゃないの?と彩音が聞くが、神田は知らんと言う。
バンダナのノアも改めてアルマへと指をさすが、神田はもう一度誰だそいつはと言った。
伯爵がバンダナのノアを睨む。
「何言ってんのもぉ~~~☆アルマだよぉ!9年前、キミが殺したあの失敗作の…」
忘れちゃったのぉ~?と言ったロードを、神田が掴んだ。
「あいつは死んだ」
「神田…」
思わず声をかけたユキサだったが、苦しげに目を伏せる。
でも生きていたんだよと、ロードが言葉を続けた。
あんな姿になっても生きていたのを、教団が隠していた。
神田にアルマの罪を被せて、奴らが隠していた。
聖戦を言い訳にして9年も。
「挙句の果てにAKUMAの卵核埋め込まれちゃって今じゃアルマは教団に貪られる生き人形だぁ~!」
グシャッとロードが潰される。
どうしたの?アルマに会えて嬉しくなかった?と、潰されてもなおロードが口を開く。
「もしかして、キミにアルマを斬らせた女ぁ…あの人のことが関係あるのぉ?」
「落ち着いて神田!!」
ドッ!とロードの体を刃が貫く。
六幻をロードへ突き刺そうとした神田を、アレンが止めたはずだ。
ならばこの刃は…。
「…ユキサ」
「これ以上神田の過去を侮辱するなら…『私は許さない』」
ビリッ…と辺りの空気が重くなり、震える。
言霊の力か…とティキが呟いた。
「神田!…ユキサも、こんな攻撃がロードに効かないのは知っているでしょう!」
挑発に乗ってはダメだ、こいつらは神田を使って何か企んでいる。
「そうだね…今は皆を助けることを考えないと」
「ここをどう切り抜けるか…」
正直、頭の中は整理しきれていない。