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【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第21章 第二十話 14番目


そんなアレンにユキサが近づいた。

「14番目」
「!! ……」
「私に関係してるのは多分、14番目」

体はアレンでも、あの時の意識は14番目だった。
なぜだか分からないが、ユキサには確信があった。
あの歌を知っているのも、全部14番目に関係しているからではないか。

「だからアレンは気にしないで。それに神田の事も」
「でも、神田はキミの」

違う、と首を振った。
それでもなお、納得しないアレンの頬をユキサが両手で触れる。
覗き込んだ赤い瞳に射抜かれ、アレンは視線をそらせない。

「なら、今ここで、14番目を消そうか?」
「え…!?」
「アレンがそんなに気にするなら、私が全部消してあげるよ」

正直に言えば、ノアである14番目の記憶はユキサ自身が受け止められるか分からない。
情報量が多すぎて、体がもたないかもしれない。
それでも、アレンが嫌ならば…。
消す事で、アレンも14番目の呪縛から開放されるなら。

「……いいえ。消さないで」

奏者の資格が無くなれば、戦いもまた厳しくなってくる。
それに自分で歩くと決めた。
14番目とも、戦いながら。

アレンがそう言うなら、と手を放す。

「それじゃぁちゃんと今まで通りになってくれるよね?」
「わかったよ。…ありがとう、ユキサ」

うん、とユキサが頷いて部屋を出ていった。
出てすぐ、こちらに歩いてくる神田と目が合う。
モヤシと何を話していた?と問われてユキサは特に何もと答えた。

「神田はなんでここに?」
「コムイから聞いた。お前がモヤシとここにいると」

少しだけ不安そうに視線を揺らしている神田に、ユキサはふわりと抱きついた。
突然の事に驚いた神田は、それでも愛おしそうにユキサを抱きしめ返す。

「神田、今日は…一緒に寝てもいい?」

断る理由など無い。
神田があぁと短く返事を返して、ユキサと共に神田の部屋へと向かった。
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