第70章 ☆ 生涯をかけて ☆ ロー視点 ☆ ① ☆

ロー）「…さっきのか？」

「…うん…愛してるって言葉…ローが私以外に言ってないって言ってくれたから…」

ロー）「…」

「だから…今は寂しくないけど…他の人に言ったって考えたら…寂しくて…余裕が…無くなって…」




アヤはまた俺から顔を逸らして…言葉を続けた



さっきより目に涙が溜まっている




ロー）「…」

「…その言葉を、初めて貰った時…自分でも、びっくりするぐらい…心が暖かくなって…本当に嬉しかったの…だから他の人に渡したくなくて…もう過去の事なのに…今更どうしようもないのに…愛してるって言葉を言うのは、ローの自由なのにって…思ったら、少し寂しくなっ…て…んっ」




俺は片手でアヤの頬に手を当て優しく顔を動かして
キスをして口を塞いだ




ロー）「…悪かった…嫌な思いをさせて…」



…泣くのを我慢しているような顔


目が涙ぐんでいて…今にも泣きそうだった




「…ローのせいじゃないもん…」

ロー）「…嫌だっだんだろ？」

「…あなたを信じてるもん」




涙が溢れそうだと思っていたが…声は泣いていた



俺はアヤを抱き締めアヤの首元に顔を埋めた





「っ…ロー？」





普段は重くないようにしているが今は…




アヤからしたら重いかもしれないが気にしている余裕が俺の中に無かった