第95章 ★ 出発・再会 ★ 夢主視点 ★ ① ★
ゆっくり息を吐き帽子を抑えて歩き出せば
嚇母も横に並ぶ様に飛んできた
「…イアンだ」
嚇母)“え?”
「イアンが生きてる…あれは…イアンの使い魔だ」
そう
さっきのはイアンの使い魔
式神と言った方がいいか
口寄せにも似た忍術
口寄せと違うのは人型で絶対服従
口寄せにも穢土転生があるけど…それとは違う忍術
まぁ口寄せも服従させようと思えば出来るんだけど
主が消えればその使い魔も消えるはずなのに
嚇母)“…でも、彼は”
「そうだよ。私が殺した…殺したはずなんだ…カカシの目の前で首をはねた…でもあれは、イアンの使い魔…はぁ…考えなくないけど、恐らくは…」
嚇母)“死んで、あっちの世界に…いる?”
「何かしらの方法で使い魔だけを飛ばしてきた…本体は…恐らくあっちの世界にいるんだろうな」
嚇母)“……”
考えたくないけど…また会うことになりそう
自然とため息が出る
「はぁ…帰ってからロー達になんて言おう…私が戻るまで、ロー達に何も無いといいけど」
嚇母)“それは大丈夫だよ。もし幻術とか忍術に出くわしても、あっちには雲母も冥母も、クロガネもいるだろ?守り石もあるしね”
「…それもそうだね」
そうだ
私はひとりじゃない
もしジジィが船から降りたとしても
あの無人島を拠点にするって言ってたし…
なんかあっても…大丈夫
その為にあの子達を置いてきたんだから
そんな事を考えていたら嚇母の小馬鹿にする様な声が聞こえた
嚇母)“あ、そうそう”
「ん?」
嚇母)“君、ローの体にベッタベタに残したね”
「う"っ」
嚇母)“クロガネも引いてたよ”
「え、まさかと思うけど、ローに…言った?」
嚇母)“……(僕は)言ってないけど…どうしたの?”
「間が気になる…とりあえず、内緒にしてね」
嚇母)“…”