第95章 ★ 出発・再会 ★ 夢主視点 ★ ① ★
嚇母)“ある隠れ里に1人の女の子が産まれたんだ。その子は両親にも里にも祝福されていた。でもその子が代々一族に伝わる力を持って産まれた。その力は初代様が持っていたであろう力で、初めは分からなかったんだ。長老だけが見る事の出来た文献に詳しい事が書かれてたみたいなんだけど長老が『その子は特別な力を持ってる。その子を他里から隠せ』それしか言わなくて…そんな事言うもんだから里にいた大人の目が変わっていった…特別な力の事何も分からなかったのにその力を使えば里は安泰。元々絶滅寸前の一族だ。大人達は利用しようと考えていた”
「…」
嚇母)“両親と長老は話し合って木の葉に助けを求めようとしていたんだよ”
「木の葉に?」
嚇母)“元々木の葉とは交流があったんだ。まぁ表立った交流はなかったけど”
「…そう」
嚇母)“両親はその子を連れて行こうとした時、ある事件が起きた”
「事件?」
嚇母)“…盗賊がね、攻めて来たんだ”
「盗賊?」
嚇母)“そう…普通の盗賊ならなんも問題なかった。でもその騒動の時里にいた子供がね、里に封印されていた祠を壊したんだ”
「…で?」
嚇母)“その祠から封印されていた男が出て来て”
「…」
嚇母)“その男は盗賊も里の人達も殺して女の子を見つけた。逃げる術を持たなかった女の子は簡単に捕まって…女の子の力を暴走させた”
「…暴走…って、」
嚇母)“その時に出た力って言ったらいいのかな、その力で周りにいた盗賊も里の人達も死んだ。その女の子の母親は辛うじて生きていたけど戦える程の体力も残ってなくて…僕に…最後に、その子を守るように言って死んだんだ…”
「…」