第95章 ★ 出発・再会 ★ 夢主視点 ★ ① ★
それからしばらく歩いて私はちょうどいい木を見つけた
「嚇母、おいで」
嚇母)“え?”
「ほら早く。おいで」
嚇母に手を伸ばしたら嚇母は差し出された手を見ていたが私の肩に乗って来た
そして木の上に飛んだ
その木はなかなか大きな木で
森全体が見渡せるぐらいに大きかった
「ねぇ、嚇母」
嚇母)“なに?”
「分かる?あっちが木の葉で、んでその向こうが…」
嚇母)“…”
太い枝の上で指をさしながら懐かしむ私に嚇母は黙って聞いていた
「ねぇ、ちゃんと聞いてるの?」
あまりにも黙りなので思わず嚇母に目を向ければ嚇母は浮いて私の前に飛んで来た
嚇母)“懐かしい?”
「…懐かしい…であってるのかな?…私この世界に興味無かったけど覚えてる」
嚇母)“…”
「覚えてるんだよ、嚇母…私は自分が思ってたよりこの世界の事覚えてる」
嚇母)“…そう…それは良かった”
嚇母が小さく笑って
私はその場に腰を落とした
「嚇母」
嚇母)“なに?”
「話をしよう…ここで…ここなら2人だから」
嚇母)“…”
「ここなら…話せる気がするから」
嚇母)“…はぁ…仕方ない”
そう言って嚇母が近くまで降りてきたので
私は自分の服の胸元を引っ張った
嚇母)“……”
お分かりいただけますか?
嚇母の嫌そうな顔
予想通りの反応に笑いそうになった