第4章 初 体 験(♡♡)
そして、今。お布団の上に正座したわたしはリエーフとビデオ通話をしている、のだが。
「俺言いましたよね!もう3回ぐらい!
もうちょっと危機感持って意識してって!」
『ハイ…』
「俺からしたら全員敵なんスよ!」
『ハイ……』
「気付いてるだけで、いち、にぃ、さん…
3人以上は確実に俺の敵なんですからね!」
『ハイ………』
かれこれ15分ぐらい、ずっとこの調子である。ただ、多分わたしの行動やら態度やらを怒っているのだが、途中途中に悠里は可愛いからとか、悠里は美人だからとか、なんかそういう褒め言葉っぽいものが入る。
お陰で何も、刺さってこない。褒められてる、なんてちょっと思っちゃう。へへ。
「悠里さっきからなんか顔違くない?」
『へ?』
「俺怒ってるのに!」
『だって、リエーフが可愛いとか美人とか言うから…』
「事実ですよ!」
うんだから嬉しくなっちゃうんだけどね。
それじゃあ何をどう気を付けたら良いのかと訊いたら、男がいる時はなるべくご飯に行かないで欲しい、それでも行くなら連絡は返して欲しい、それが知ってる人でも例外はない、もっと可愛い自覚を持って、隙ありすぎるから危機感持って、距離保って、あんまり他の男に笑いかけないで、などなど。
長いし多いしちょっと覚えきれない。
『分かった、リエーフにたくさん連絡して、
たくさん好きだよってしたら、安心できる?』
「ングゥ、それプラス他の男に優しくしない!」
『難しいけどわかった、気を付けるね』
面倒くさくてすみません、としょぼくれるリエーフ。一途に好きすぎるのも、ましてや歳上との恋愛だと、余計自分が子どもっぽく見えるし不安にもなるだろう。
高校生の恋愛において、例え1年や2年の違いでも、それは大きすぎるほどに遠い距離で、変わることは無いのだ。もっと考えるべきなのは、わたしだった。リエーフがこんなにも心配になっているんだから。
『たくさん考えさせてごめんね、
ありがとう、大好き、すごく好きだよ』
「う〜、悠里はそういうのほんとにずるい!」
俺も好き!と言うリエーフは、とびきりの笑顔でそれはもう可愛かった。