第6章 偽の彼女
初めて高専の入学式で悟に会った時の感想は。
「うわぁ、綺麗な男の子だなぁ」
だった。
次期五条家当主。
無下限術式を使い、六眼持ちの呪術の天才。
五条悟を知らない人は呪術界にはいない。
それほどまでに、五条悟は有名だった。
さらには白髪の透き通るような髪に、碧色の綺麗な瞳。信じられないほど整った顔をしている彼は何処に行っても注目の的だったし。必然的に目立つ存在だった。
一体どんな人なんだろう。
あんな綺麗な顔をしているんだから、上品で優しい感じなのかもしれない。
そう思っていた私の期待を無かった事にするみたいに。悟が放った第一声は…今でも忘れられないほどの印象だった。
「今日からこんなクソみてェな所で、クソみてェな任務こなさなきゃなんねーのかよ」
え…口悪!
見た目の印象とは遥かにかけ離れた、とてつもない口の悪さ。
そして態度の悪さ。
上品どころか、まるで尖りすぎたナイフのような性格。