第20章 心配症
「優しかったよ、それに…私も気持ち良かった…よ」
照れたように少し目線を逸らしながら呟くリンは、どこまでも僕を夢中にさせるのが上手いらしい。
「良かった…」
そんな彼女の耳へそう呟けば、僕を抱きしめるリンの身体を優しく包み込んだ。
幸せすぎる。
幸せすぎて怖いくらいだ。
まさか自分がこんな気持ちになるなんて、少し前の僕には想像も出来なかっただろう。
ずっとリンを好きだった。
だけどリンが、いつかそんな僕を好きになってくれる保証なんてどこにもなくて。
だから今がまるで奇跡みたいに感じる。
ずっとこの幸せが続くように…なんて、そんな少女みたいな事を願うほど…
僕はどうしようもなくリンが愛しくてたまらないんだ。
もう手放せない。
いや、手放さない。
どんなことが起きようと…
僕がリンを手放すことはないだろう。