第15章 ★止まらない熱情
「ちょっとだけ陰気そうな扱いにくい人だから、変に絡まないでよ」
「僕を誰だと思ってんの」
「みんなのストレスになってる五条先生」
「おい」
いくら万愛でもおこだよーって拗ねた口調で嗜めながら、悟は玄関に向かった。
さほど心配もせず、目を閉じて休んでいると、パァーンとはたかれたような音がする。
ただならぬ気配を感じる。
何を言ってるか聞き取れないけど、悟の低い声音が響いた。
まさか非術師相手に本気になってないよね……。嫌な不安がよぎってベッドから立ち上がり、ルームウェアの上にカーディガンを羽織って、ちらっと玄関先をのぞいた。
するとそこに居たのは、2階のお兄さんではなく――。
「……オーナー」