第9章 さよなら五条先生
「早く返して。僕の気が触れないうちにさ。手荒なことはしたくないんでね」
「ひゃーはっは、バーカ。こっちは5人いんだぞ」
田丸が指を鳴らすと、ホテルの裏口から筋肉質の大男たちが顔を出した。ズンズンと勇み足でこちらに向かってくる。
「どいつもこいつも筋金入り。おまえ死んじゃうかもね、ふはは」
「んー? どこにいるのかな。僕の視界に入りこんでないみたいだけど」
「っざけんな!」
五条先生に駆け寄ってきた大男の右腕から、ストレートの拳が繰り出された。
それを五条先生はなんなくサッと体を横にずらしてかわす。