第9章 さよなら五条先生

「愛想ねーな。見た目悪くねーのにもったいねー。キャバ嬢にはなれねーわ、そのひきつり顔」

「もういい？」

「いいわけないだろ。まだ話の途中ですけどぉー。なぁーもう一回おまえのこと彼女にしてやってもいいよ」

「ごめんなさい。そのつもりはないです」

「はっ？　なにソッコー振ってみてんの。いろいろ知り尽くした仲じゃん？　学校の教室で放課後何度もシたよなー」

「……」
　
　そんな事を言われても覚えていない。怖くて押し黙る。自分がそんな破廉恥な人間なのかと嫌になる。