第43章 なくしたくないもの
アイムは見張り台へ行ってしまった
は見張り台への階段を眺めていた
『…………』
ザツリグのことを知っていた
会ったことがあったのかな
辛そうな…悲しそうなアイムの顔…
『(何も…出来ない自分が悔しい…)』
肩を優しく叩かれた
『マーベラス…』
マーベラス「…………」
―――――
アイム「ありがとうございました…」
暗い船内で深々と頭を下げるアイム
1人でザツリグの元へ向かうつもりだ
マーベラス「どこに行く気だ」
アイム「…止めないでください。ザツリグは…私の星を滅ぼした…誰よりも憎い相手です…!」
ジョー「そういうことだったのか…」
『だから…ザツリグのこと、知ってたんだね』
ルカ「なるほどねぇ…」
ガイ「何かあるとは…思ってましたけど…」
アイム「みなさん……」
ジョー「1人であいつを倒せるわけないだろ」
アイム「………」
マーベラス「あいつとやれば…確実にお前は死ぬ。それが現実だぞ」
アイム「でも…っ……私は…っ…」
涙を流し、服を握り締めるアイム
マーベラスはアイムの頭に優しく手を置いた
アイム「…!」
マーベラス「泣くな」
アイム「……っ」
マーベラス「お前……俺と初めて会った時…何つった」
アイム「………」
それはまだアイムが仲間になる前――
ゴーミン、スゴーミンと戦う4人を眺める1人の女が
全て倒しマーベラスたちが歩き出した瞬間、声をかけたアイム
アイムはマーベラスたちに仲間にしてと懇願してきた
他の国へ逃げ延びた自国の民に星の誇りを持ち続けられるように、自分が象徴として生き続けるために
手配書に顔が載り、自分が生きてザンギャックと戦っていることを見せられる
『それが…アイムが海賊になった理由…』
マーベラス「星空の向こうに…お前を支えにしてる奴らがたくさんいるんだろ。そいつらの為にも… 1人で死にに行くわけにはいかねぇだろ」
アイム「…っ…でも…っ!」
マーベラス「アイム、顔を上げて前を見ろ」
アイム「……」
マーベラス「俺達がいるだろ」
みんなは頷く
アイム「みなさん…っ!私に力を貸してください…!ザツリグを倒すために…っ…!」