第21章 15戦士の鎧
ハカセ「湿布貼ったし、後でまた貼り替えようね」
『うん、ありがとう』
ハカセ「また無茶させちゃったね。僕が弱いから…」
『違う…!』
ハカセ「…!」
『違うよ。私もみんなを守りたかった。でも私には力がない』
ハカセ「…」
『ハカセは強いよ…。私はどんどん置いて行かれる…。皆が羨ましい……』
ハカセ「そんなこと思ってたの…?」
『ガイが来て……楽しい。でも、いつもどこかモヤモヤが消えない…。そのうち私はいらなくなるんじゃないかって…』
ハカセ「そんなわけない…!」
ハカセはを抱きしめた
ハカセ「がいらなくなるなんて、そんなわけない!絶対ない!大事な大事な仲間なんだよ!」
『ハカセ…』
ハカセ「僕は…マーベラスやジョーみたいにかっこいいこと言えないけど……でも、絶対みんな同じこと言うよ。は仲間だよって」
『………』
ハカセ「は凄いんだよ。怖がらずにザンギャックと戦って、怪我を治せて、物も直せる。怖い思いをしたのに、勇気を出して踏み出して……。僕なんかより全然凄くて強いんだよ」
『………。お料理出来る』
ハカセ「えっ…?」
『具合悪いのすぐに分かる。怪我してもすぐわかる。ザンギャックと戦ってる。いろんなこと知ってる。私は鈍くてわからないことが多い。ハカセも凄い』
ハカセ「そ、そんなこと……へへ、ちょっと照れるな…」
『…ありがとう、ハカセ』
はハカセの頭を撫でた
ハカセ「…」
『モヤモヤ、ちょっと取れたよ』
ハカセ「そっか……あ、ごめん、いきなり…こんな…」
掴んでいた手を離した
『ううん、安心する。ハカセが側にいるって』
ハカセ「…!そ、そっか…!」
『うん』
気持ちを伝えると少しだけ軽くなる
モヤモヤは全部なくなったわけじゃないけど…
きっと道は何かある
きっと――――…