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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第17章 ❤︎ ぼくなつ 木兎光太郎


光太郎さんに惹かれ始めているのはなんとなく分かっていた。これまで鉄朗以外の男の人をほとんど知らないまま生きてきたのに、自分でも驚くくらい気持ちは揺れていた。

だけどこのまま好きになってもよかった。
光太郎さんの傍でいるだけで素直に笑えてるから、もう少しだけ一緒にいたいの。


翌日は朝から雨だった。食堂にはちょうど光太郎さんも来ていて二人並んで朝食タイム。ここにきてからこうやって光太郎さんといることが当たり前になっているせいで残りの日数を考えると少しだけ切なさを感じていた。

「雨の日に飲むお味噌汁って美味しくない?」
「そう?」
「なんか落ち着くというか…、気持ちの問題かな」
「俺さーそういう感覚持ってねぇから味噌汁は味噌汁だとしか思わねぇよ」
「それが普通だよ。あとは美味しいか美味しくないかだもん」
「美味いって言えば伊勢海老とか入ってたらテンション上がる」
「お味噌汁に伊勢海老?高そう…」
「たまに漁師やってる親戚がくれんだけど、それがまた美味くて」
「伊勢海老なんて数回しか食べたことないし、そんなお味噌汁にだなんて贅沢すぎるよ」
「そうだよなぁ。伊勢海老は秋からが旬だからその時期にまたくれば?普通に食事にも出してるし」
「そうする。秋は何日か休んでも問題ないしその時期になったら教えて?絶対にくるから」
「いいよ。俺もまたいちかちゃんに会いたいし…」
「じゃあ約束ね。ここに来てから毎日楽しくて帰るのがさみしいなって思ってたの。でも次の約束があると向こうに戻ってもまた頑張れそう」
「俺としてはいつまでいてもらってもいいんだけど、学校もあるしな。さすがに船じゃ通えねぇもんな」
「船で二時間だもんね…。通えるならそれもありだったかもしれないけど」
「マジ?そんなにここが気に入ってくれたの?」
「え?…あ、うん。……気に入ったというか私にとっては本当にいい環境だしご飯は美味しいし。ずっとここにいたら太っちゃいそうだけど、来る前はストレスで結構痩せちゃったから今はちょうどいいの」
「食え食え。しっかり食ってたらそのうち元気になるから」

そう言ってどんぶり茶碗に盛られたご飯を豪快に掻き込む。
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