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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第17章 ❤︎ ぼくなつ 木兎光太郎


楽しかった時間もさっきの夢のせいで台無し。うっかり寝ちゃったせいで食堂には私一人。なんだかなぁと思いながらも煮魚定食の優しい味は私の心を満たす。しかもさっき釣ったハゼの天ぷらとクロダイのお刺身も付けてくれてその美味しさに感動すらあった。

私もこんな風に料理できたらなぁなんて浅ましくも思ってしまうけど、料理なんてあんまりしたこともなかったからこれを機に挑戦するのもありかもね。

「ご馳走様でした、今日も美味しかったです」
「あら、ありがとう。いちかちゃんも光太郎と釣りに行ったんだって?」
「はい。誘っていただいて。初めてだったんですけど、すごく楽しかったです」
「あの子釣りバカだから。迷惑だったら断ってね」
「いえ、むしろありがたかったです。……光太郎さん、今はいなんですか?」
「夜釣りじゃないの?今日は潮がいいから」
「そういえばそんな事も言ってたな」
「そのうち帰ってくると思うけど、今日は21時から男性風呂に切り替わるからお風呂に入るなら早めに入っちゃてね」
「さっきシャワーしたので今日はもう大丈夫です。…今から赤葦さんのお店まで散歩してきます」
「そう?じゃあ気をつけてね」
「はい」
「途中で光太郎見かけたら早く帰ってきなさいって伝えておいて」
「分かりました。じゃ行ってきます」
「気をつけてね」

玄関の外に出ると満天の星が私を迎えてくれた。暗いけどその分だけ星は輝きを増して、肩掛けのバックにはスマホとお財布だけの身軽な体は夜の空気に溶け込む。

こんな夜空の下でお酒なんて飲んだら最高だろうな…そう思えば心は弾んで、坂の下に見える明かりの灯るその場所目指して一気に下っていった。
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