第72章 結婚するまで帰れません(１)　岩泉一

及「今は…、でしょ？これから先は誰も分からないでしょ？」
「いや…」
花「これ以上は止めといた方がいいって。ね、いちかちゃん俺とまっつんと岩がいればどう？」
及「ねぇマッキー…、いいとこなのになんで邪魔すんの？」
花「だって行けないよりはいいだろ？なぁ、いちかちゃん」
「んー、岩泉君とかみんながいるならええかな」

なんで俺をちらっと見て俺の名前をいちいち出すんだよ…そう思った時には遅い。及川が思いっきり俺を睨む側で花巻と松川は笑うのを堪えている。

及「まぁいちかちゃんが行ってくれるならいいけど、じゃあさ、せめて席は隣キープさせてね？俺、もっといちかちゃんにアピールできるように頑張るから」
「頑張らんでええて」
及「ね、いちかちゃん、何食べに行く？」
「ケーキが美味しいとこがええかな」
花「あ、じゃあさ、最近駅前にできたカフェとかは？確かタルトが美味しいって言ってたはず」
「タルト…。そこがええ」
花「じゃあそこにしよう。まっつん、予約取って」
松「ん、調べとく」
及「ちょ待って、勝手に話進めないでよ」
花「ケーキと可愛い女の子の組み合わせとか最高じゃない？なぁ、岩」
岩「俺に聞くなって」
花「だって岩もケーキ食いたいだろ？男だけで行くよりマシじゃん」
「うん、どうせならみんなで行きたい。及川君もええやろ？」
及「そりゃいちかちゃんがそう言うならいいけどさぁ。でも俺とのデートも考えておいてよね？」
「んふふ…」
及「あ、笑ってはぐらかせた」
花「じゃ明後日の部活終わりは部室前で集合ね。及川とまっつんと俺は、今日はコート準備だからもう行くよ」