第68章 ❤︎ 青城３年とルームシェア

「いちかって抱き心地いいね」
「太ったから」
「そう？俺には分かんないけど」
「実はさぁ、写真、本当は少し盛ったんだよね。二重顎も消したし」
「ん、それはなんとなく分かってた」
「バレてた？」
「うん、俺にはね。でも綺麗になったと思うよ。女の子って変わってくんだなって」
「私も色々あったから」
「そうなんだ…。また聞かせて？」

なんて会話をしてたら絨毯の上に寝かされて及川に見下ろされる。及川の声色が変わってくのをなんとなく感じ取ってはいたけど見つめる視線の熱、なんか及川一人そういう雰囲気になってる気がするんだけど。

「ねぇ、なんで押し倒したの？このタイミングで押し倒すっておかしくない？」
「むしろ今じゃん。傷心中のいちかを慰めようと思って。嫌なこと忘れて気持ちよくなろ？」

鼻歌でも聞こえてきそうなくらいのこの軽い感じ、及川らしいといえばそうだけど…。なんとなくモヤモヤしたものを感じながら慣れた手つきで上着をたくし上げていく。

「あのさ」
「んー？」
「何か聞いた？」
「いや？岩ちゃんがいちかで童貞卒業したって話しか聞いてないよ」
「及川に言うと面倒だから言わないでほしかったのに」
「俺に内緒でそんな深い仲になってるなんて妬けちゃう」
「そういう反応だよ、面倒なのは」
「もういいじゃん。俺もイケメンの部類だからいいよね？」
「及川の顔は見慣れちゃってるから飽きた」
「何それ酷い」
「だからやだ」
「マッキーも岩ちゃんもまっつんも見慣れてるじゃん」
「でも及川とはなんか違う…ような気がする」
「納得できない。俺じゃないから抱かれたの？」
「そんなんじゃないって。成り行きっていうか……？」
「じゃあ俺も成り行きコースで。…嫌なこと全部忘れるキスしよ？」

及川の顔がアップになってくのに反射的に目を閉じてしまった。下唇を食むように攻めて開いた唇から舌を侵入させる。絡めるようにな動きにざらっとした感触が舌に触れて深いキスが続いて薄く目を開くと無駄にビジュアルがいいい分、視覚から入ってくる情報に脳が麻痺してく。