第68章 ❤︎ 青城3年とルームシェア
「ひとつアドバイスしてあげる。まず女の子にブスって言っちゃう男って論外だから顔よりも性格直した方がいいよ。俺レベルに顔面偏差値が上がれば多少口が悪くても許される世界になるけどまず君には無理だね。いちかの送ったって写真も見たけど修正もしてないし実際の方が可愛いって断言できるけど、でも君は本当に救いようのない不細工だから諦めなね」
「だからお前さっきからなんなんだよ。誰だよ」
「いちかの彼氏だよ。俺よりイケメンがいるって聞いたから興味があって…。でも実際は詐欺男な上に不細工だったから笑っちゃったよねー。次はさ、もっとハードルの低い写真使いなね。アイドル顔とかウケ狙いにしか思えないから」
高笑いする及川の言葉を最後に一方的に切られてしまった通話。そりゃそうだよね。面白半分でやったとことは言え、最悪な気分だ。及川が言い返してくれた分、少しはスッキリしたけどなんだろう、この後味の悪さ。
「通話するんじゃなかった。…大ダメージなんだけど」
「あいつが言ったことなんて気にしなくていいよ。向こうが悪いんだし」
「そうだけど、でも、あんなはっきりブスって言われたら…、ショックだよ」
「そんなことないって。可愛いじゃん、いちかは」
「今までブスって面として言われたことないんてないのに」
「だからいちかはブスじゃないから。俺らの姫じゃん」
「姫も言われたことない」
「今、言ったでしょ?」
「取って付けたみたいなセリフだし」
「そんな顔しないで。俺んとこおいで。ぎゅうしてあげる」
別に及川に慰めてほしいなんて1ミリも思ってなかったけど、顔だけはいいからな。悪い気はしないってだけで許してしまいそうになる。じっと見つめてたら抱き寄せられて及川の匂いに包まれる。他の3人とは違う及川の匂いだ。