第68章 ❤︎ 青城3年とルームシェア
及「何なの?気になるじゃん」
「なんでもない」
松「麺がのびるよ?及川にはこれあげる。はい、俺の食いかけのラーメン」
及「いや、嬉しくないし」
岩「じゃ俺が食う」
及「待っておかしいから」
懐かしいこの感じ。及川が来たことで岩泉も表情は明るい。面倒なことにはなってるけど4人揃ったんだなって実感できるのがなんか嬉しくて、つい口元が緩んでしまう。松川もなんか嬉しそうでルームシェアも悪くないなって思った。
「それで帰国してからの二週間の缶詰生活はどうだったの?」
及「今まで生きてきた中で一番孤独だったよ」
「やっぱり?」
及「ホテルでは廊下にも出ちゃだめで俺の部屋、電波も安定しないし、動画とかゲームも」
岩「それでも帰ってきたかったんだろ」
及「そりゃね、こんなご時世だし向こうは衛生的には褒められたところではないから。それにいちかの家でルームシェアしてるって聞いたら行かないわけにかないじゃーん」
「私は呼んでないけどね」
及「でも泊めてくれるんでしょ?」
「及川だけ断る理由はないからね。でも集団生活なんだから協力するところはちゃんとしてよ」
及「分かってる。半年だったけど向こうでも一応一人暮らししてたから」
「じゃ明日の朝はゴミ出しお願いね。部屋片づけしててたっくさんゴミがあるから」
岩「俺は手伝わねぇぞ。片付けしてやったんだから」
花「俺も買い物行ってきたし」
松「俺は明日、忙しいからよろしく」
及「そんな皆して…。……行くよ。行かせていただきますよ!」
岩「当然だ」
「じゃよろしくね。…さ、食べよー」
こうして再会の夜は更けていく。誰とも話さないで先の見えない不安ばかりだった日々が今は嘘みたい。
大学生組は講義に忙しいだろうけど面倒なことは暇な及川にお願いしたら私も楽になるはず。それも悪くない。どうせなら思いっきり楽しもうじゃないか、この生活を。