第68章 ❤︎ 青城３年とルームシェア

「ほんっとにもー！岩らしいな！素直にならないなら、俺が素直にさせてやるから」

薄暗い部屋に明かりがついて一気に明るくなって眩しい。ちょんと寝ぐせのついた岩泉と目が合って気まずくなる。

「お前、なんつー恰好してんだよ」
「それは…、まぁ、色々とあって」
「……お前らもヤッたのかよ」
「ヤってはないよ。本番はこれからだし」
「本番？」

バスタオルを直してた隙に花巻が背後に回り、抱き締めるのかと思えば両脇の下に両手を回されて固定される。羽交い絞めみたいな形になって身動きが取れない。

「わ、何？」
「岩のためだと思って」
「動けないんだけど」
「岩。お前も男だろ？………これで好きなようにしてあげて」

それを合図にせっかく直したバスタオルの結び目を解き、胸が解放される。明るくなってしまっては隠しようもなくて視線を逸らしたままを岩泉を見つめるしかできない。

「据え膳食わぬは男の恥…だぞ？……え、これ、使い方あってる？」
「そんなの知らない。てかもー、こんなの聞いてないんだけど」
「いいじゃん。いちかも経験者なんだから優しく教えてあげなって」
「教えるって言ったって、私基本的に受け身だし」
「じゃあまず女の子を気持ちよくさせるところからだな？岩、いい？」
「……誰もやるっつってないんだけど」
「そう？じゃあそこで見学しててよ。……いちか、もう一回キスしよ？」

首筋に顔を埋めて耳朶に息が触れる。薄く開いた唇から舌先が侵入して口内で受け止める。岩泉の視線を感じながら完全にリードされるキスははっきり言ってヤバい…その一言に尽きる。ナチュラルハイなメンタルと深いキスですっかり体の力は抜けきっていた。花巻の右手が胸に添えられて突起を甘く刺激する。

「んん…っ」
「柔らかいよな…。触ってる俺も気持ちいいもん」

激しかったり甘かったり予想が出来ないキスと胸への愛撫に体の芯から熱くてくらくらする。欲情し始めるこの感覚すら気持ちいい。童貞の岩泉がどうんな表情してするのかって想像するだけでもきゅんとする。