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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第22章 残りの時間、私が貰い受けます✳︎不死川さん


さてこの馬鹿タレをどうしてやろうか


私がそう考えていると


「…ッ!!!!」


目の前の男の顔が、急激に青く(いやもはや青いを通り越して白く)なっていく。そして、"その目、落ちてくるんじゃないの?"と思ってしまうほどに目を大きく見開いた。


急にどうしたんだろう?


そう不思議に思っていると


「世話になってる恩も忘れて、くだらねェことぬかしてやがるのはどこの馬鹿野郎だァ?」


背後から急に聞こえてきたその声に、


「…っ不死川様!」


私は嬉しさと、驚きを感じながら首だけ後ろに振り返る。振り返ったその先には、不死川様だけでなく冨岡様もいて、言葉は発さないが、"そんな視線浴びたら心が凍っちゃう!"、と思ってしまうほどの冷めた目を、私の目の前にいる隊士に向けていた。


不死川様と冨岡様が来てくれたならもう大丈夫だ…


私は泣いているきよちゃんを、一刻も早くこの部屋から連れ出したいと思い


「ごめんね、抱っこするよ?」


ときよちゃんに一言声をかけ、その体をぎゅっと抱き上げた。そんな私の行動にきよちゃんは依然として涙を流しながら


「…っ私はなんともありませんから!すずねさん!すぐにほっぺを診てもらってください!もし跡が残ってしまったら大変です!」


そう言って私を気遣ってくれた。


「このくらい、大丈夫だよ」


そう言いながら軽々ときよちゃんを抱いて歩いていると、パッと不死川様と目が合った。


「…っお前!その頬どうしたァ!?」
 

不死川様に半ば怒鳴るようにそう聞かれたが


「なんでもありません。すみませんが、先にきよちゃんをみんなのところに連れて行きますので失礼します!」


私は足を止めることなく、そのまま不死川様の横をすり抜け


「無事送り届けたらまたここに戻って来ますので…あ!でも二人とも、本当は無断で病室から出たらダメなんですからね!助かりましたけど、早く病室に戻ってください!」

「…っオイ待てェ!」


不死川様の静止も聞かず、そのまま台所へと急ぎ向かった。








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