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【NARUTO】月影の恋人(R18)

第8章 * 愛おしい君



 日が暮れるころ、晩ごはんを食べ帰宅した。思ったより時間はかかったが、ある程度生活に必要な店も案内できたし、まだ足りないものがあれば、明日以降、結一人でも買いに行けるだろう。

「明日からお手伝いさんに週3で昼、夜のご飯頼んでて、冷蔵庫に作り置きしてもらえるから。なるべく昼も帰るようにするし、ここで一緒に食おう」

「……うん」

分かりやすく結のテンションが下がる。

「……今、自分が役に立たないとか思ってるでしょ」

「だって、そーやもん……」

オレはソファに三角座りする結のところまで行くと、ぷにっとその柔らかなほっぺを優しくつねる。

「オレは飯作ってくれることなんて望んでない。できないことは頼めばいい。オレは結にそばにいて欲しいだけ」

小さく丸くなった結を抱きしめる。

「掃除と洗濯は頑張るから……」

 結が小さな声で答える。
結は刃物が使えないことがかなり劣等感になっている。いつかそれも、他に自信を持てることができて、薄らいでいけばいいな。

「結、無理しないでね」

くしゃくしゃとまっすぐな髪を撫でると、結がぎゅうっと抱きつく。でもすぐにばっと離れて頭をぶんぶん振る。

「ゴメン!わたしめっちゃめんどくさいな。もぉやめやめ!ごめん!!」

「全然めんどくさく無いよ」

「もーカカシはわたしを甘やかしすぎ……」

結が眉を下げて心底困ったようにオレを見る。
少し乱れた髪を耳にかけてやりながら、オレも結を見つめる。

「ふふ、だって可愛いからしょうがないでしょ。さ、買ってきた荷物片付けちゃお」

「え?明日やるからいいよ!カカシは明日からまた仕事やし、今日はもうゆっくりして!」

「いいからいいから」

「ありがとう」

「ん」

二人でガサガサと荷物を開けていると、結が「あ」と声を上げる。

「どうしたの?」

「花街を出るとき親父さまに風呂敷包みを渡されたん忘れてた」

「開けてみたら?」

「うん」

風呂敷包みを開けると、中から5つの紙で巻かれた札束が出てきた。

「え?これ……」

「これ多分、オレが楼主に渡した身請け金だ……」

一度2人で顔を見合わせ、また風呂敷に視線を戻す。

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