• テキストサイズ

夜空に輝く星一つ。【鬼滅の刃 短編 中編 】

第3章 懐 想 [煉獄杏寿郎]バレンタイン



「そっか。杏寿郎さんの周りには良い人がたくさんね!」

俺は手を洗うと、冷凍庫から保冷剤を出しはなの横に腰かけた。

『痛むか?今度は何でやけどした?』

なぜか…はながやけどしたことが初めてでないような気がした。

「あ…のね、天ぷら…をね?」

天ぷら?
バレンタインに天ぷらか?

『なぜ天ぷらを?』

「だって…杏寿郎さん…さつまいも好きでしょう?だから天ぷらをね?ってバレンタインなのに色気のない料理でごめんなさい…」

ん…?
俺は…彼女にさつまいもが好きだと言ったか?

『俺は…君にさつまいもが好きだと言ったか?』

「えっ?……当然のようにさつまいも好きだと思ってた…けど、言われてみれば…言われたことなかった…かも」

『俺は…初めて会った時から、君を知っていたような気がしていたが…前世でも結ばれていたのかもしれないな…』

そうだ…恐らく前世で俺達は結ばれていた
その時も恐らく、君なしでは生きられない程に愛していたはずだ

彼女の手を冷やしながら、なぜか懐かしい想いを馳せながら、照れたように笑うはなの髪を撫でた

「そうかもしれないね。あっ…もう大丈夫よ。
痛みが引けたみたい!お料理、仕上げちゃうから待ってて!疲お腹空いたでしょ?」

『俺も手伝おう!』

「だめよ!それじゃ、バレンタインの意味がなくなっちゃう…」

『君と料理する時間が、俺にとって特別だと言ってもか?』

この懐かしい気持ちを手放したくなかった
君の横から少しも離れたくない

「わかった…お手伝いお願いします」

にっこりと可愛らしい笑顔を向けてきて、思わずはなを抱き寄せた。

『はな、ありがとう。ずっと会いたかった。こうして君に触れたかった…会えない時間が長すぎた…』

「うん…長かったね…私もずっと会いたかった」

その言葉を聞いてしまえば、自然と唇は重なってしまう
軽く、重ねるだけのキスをして、はなが唇を離した

「……もっとしたいけど…頑張って作ってた料理がまだ途中なの…」

あぁ…だめだ…愛おしくて堪らない
だが…食事をしてからでも、彼女を愛す時間はあるだろう

/ 204ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp