第16章 たったひとつの (五条悟)
side伏黒
昨夜ドタドタと足音を響かせて突然俺の部屋に転がり込んできた虎杖はの部屋にいたらしい。なんでも五条先生が連れてっいっちまったとか。任務前だったから適当にあしらって帰したけど。
五条先生は昔からに過保護だったし会話の途中に割り込んでくるなんて俺からしたら日常茶飯事。今更って感じではあるけどまあ…虎杖はのことが好きっつってたから面白くはねえか。
翌朝、一番最後に教室にきたを見つけるなり名前を呼んで頭を差し出したのは俺の昔からの癖。に触れられるのも、自分から触れるのも落ち着くから好きだ。疲れが溶けてくみたいな感覚。
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「昨日五条先生んとこ行ってたのか?」
『あれ、恵くん?部屋戻ったんじゃなかったの?』
寮の下にある自販機の前で1人飲み物を選んでいる彼女を見つけて後ろから声をかける。
「飲み物買いに来た。」
『そっか。うん、昨日は悟のとこ。悠仁くんに聞いた?』
「いや、虎杖からは五条先生に連れてかれたってだけ聞いた。」
『恵くんは任務だったんだよね』
「あぁ」
綺麗な顔立ちと華奢な身体。
とても俺と同じ式神使いには見えない。
この世に呪いなんてもんがなけりゃ、は何になっていたんだろうか。
「なあ、ちょっと部屋寄ってかねえか」
『私これから悟のとこ行かなきゃ』
「そんな急いでんのか?」
『そんなことはないんだけど…まあ少しなら大丈夫かな。部屋お邪魔するから飲み物奢るよ。』
その言葉に甘えて飲み物を1本奢って貰った。