第12章 伝えたいことは (黒尾鉄朗)
「赤葦になんか言われたの」
「彼氏面すんじゃねえってさぁ」
「そんな言い方しないでしょあの人。」
「大体こんな意味合いですぅ」
「ちょっと…赤葦まだ1年だし梟谷とは会う機会多いんだから気まずくなるのとか本当やめてよね。あとクロ顔怖い。」
「以後気をつけます」
俯きながら作業をするに謝りたくて近づくと作ったような笑顔を俺に向ける彼女。
『鉄朗もドリンク飲む?』
「あ、うん貰う。」
『どーぞ』
「あの…さっきごめん。」
『え?』
「言い方間違えました…あいつのことばっか気にかけてっからさ。俺たちのマネなのにって…ごめんな。ほんと居てくれるだけで助かってるから困ったことあるなら俺達のこと頼って…ください。」
『鉄朗が謝ることじゃないよ。これからは音駒の皆のこと頼る。ありがとうね。』
「うん、じゃ…始まるから行ってくるわ」
『うん、頑張れ』
好きな子からの応援ほど力に変わるもんはない。
まあ俺はだいぶチョロいんでのひと言で感情左右されまくりだし、そのたび研磨に迷惑かけてるし。そろそろ勝負仕掛けないとですかね…。