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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第10章 約束 ( 北信介 )



『…っはよ食べんと休み時間終わるで』

「なあ、侑にはもう話したん?」

『あ…ううんまだ。
朝会えたから言お思ったんやけど途中で角名くんが来て言いそびれてしもうたんよ。』

「まあ、わざわざ言わんでもええか。」

『ううん、言う。宮くんには言わなきゃ。
彼の時間を奪ったらあかんから。』

「ん、に任せるわ」

『うん、ありがとう』

そうや。宮くんの時間奪ったらいかん。
私を好いてくれたって応えられへんから…ちゃんと言うべきや。きっと応援してくれるはず…早く言わんとやな。


「あ!さんおった!」

お弁当を食べ終えて3年フロアに戻る階段を下っていると廊下を歩いていた宮くんにばったり。

『ここ3年フロアやで何しとるの?』

「さん探しとった!」

「俺もおるけどな」

「あ、き…北さんっ」

『私に用事でもあったん?』

信介くんを視界に捉えるなり背筋をのばす宮くん。

「あ、いや別に用はないんですけど…
会いたかったっていうか、顔みたなって…」

『…宮くんそのことなんやけどさ』

キーンコーンカーンコーン

「わっチャイムや!
あー!せっかく会えたんに!!
さんまたね!」

『あ…っ』

ブンブンと手を振って走っていってしまった宮くん。また言えなかった。

『ごめんね信介くんまた言われへんかった。』

「別に無理に言わんでもええよ。
いずれはバレるやろし。言っても言わんくてもが俺の彼女なんは変わらんし。」

『うん、そうやな。
言えるタイミングで伝えるね。』

俺の彼女なんは変わらん、と微笑む信介くんに頭を撫でられてそんなに急ぐことでもないかと焦りは消えた。
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