第5章 再会。
予約していたビジネスホテルに着く頃にはすっかり日は沈み辺りは暗くなっていた。
さすがに一日中歩いた足は棒のようで、部屋に入った途端、真っ先にベッドに沈み込んだ。
かよこ「フーー。よく歩いたわぁ、ともみは大丈夫?」
私は重い身体を何とか起こし、ベッドの上で正座をした。
「かよこさん、今日は色々とありがとうございました。美容院代やメガネまで買って頂いて、」
かよこ「そんなに畏まらないの!私がしたくてしたんだから。ともみは下宿で頑張ってくれてるから、そのご褒美よ♡」
「ご褒美もらうほど頑張ってないですよ…」
かよこ「何言ってるの?充分やってくれてるじゃない。食事の用意から掃除まで。頼んだ事以上の仕事をしてくれるから感謝してるの。
それに今日は何だか娘とデートしてるみたいで楽しかったわ。」
フフッと笑うかよこさんに私も嬉しくなり頬を緩める。
かよこ「そんな可愛い娘に私からプレゼント。」
かよこさんはハイッと大きな紙袋を私に差し出してきた。
「・・これは?」
かよこ「ともみがメガネ作ってる間に勝手に選んじゃった♡ほら、開けてみて?」
そっと紙袋を開けると中には沢山の洋服が入っていた。
デニムやスカート、カットソーやブラウスにワンピース。下の方には可愛いストラップのサンダルまで入っている。
「え?凄い、、、かよこさんコレ全部私が着るんですか?」
かよこ「フフッ、いくら美人のかよこさんでもさすがにコレは着れないわよ。
ともみは背が高いし、スタイルが良いからきっと似合うと思うわよ?」
どれも雑誌に載ってそうな素敵な服ばかりだった。
今時の服は私には似合わないし、それを着る勇気も無かったけど、今日1日で少しだけ、自分に自信が持てた気がする…。
「かよこさん…。何から何まで、本当にありがとうございます。
全部大事します。」
かよこさんは嬉しそうに笑い頭を撫でてくれた。
かよこ「どういたしまして。私もこんな美人な娘を持って鼻が高いわ!」
なんだか胸がくすぐったくて、私は綺麗な洋服達をぎゅっと抱きしめた。