第32章 侑end
あぁ、、確かに。
言われてみたらそうだ…
私達はもう同じ屋根の下に住んでいるわけじゃない、、
東京と大阪じゃかなり遠い…
ましてや侑君はシーズンに入れば忙しい日々を送る事になる。
今だってシーズンオフとは言え夏になれば日本代表の合宿や公式戦だってあるだろうし…。
考えれば考える程不安が頭を過るが、きっと侑君ならその不安を打ち消してくれる筈‼︎
そう思い、隣に座る侑君の顔を伺うと…
侑「・・あかんな…あかんっ‼︎俺は耐えられへん…‼︎寂しくて死んでまうっ‼︎」
・・・私よりダメだったーーー!
頭を抱える侑君に目の前の冷たい視線が刺さっている。
佐々木「・・・なんか久々にポンコツな侑君見た気がするわ(笑)」
治「てか目に見えんねん、毎晩ため息吐きながら店に来んのが…。
暗い顔して負のオーラ出されたら営業妨害や。」
目の前の2人の言う事も耳に入っていない様子の侑君の腕を軽く引っ張った。
「なかなか会えないかもしれないけど、私はまたこうやって侑君と再会出来ただけでも幸せだよ?
それに、もう離れないって約束でしょ?」
じっと目を見つめ、少しでも安心して欲しくてニコッと微笑んでみる。
すると、侑君の顔がポッと赤くなり、口元がみるみる綻んだ。
侑「・・せやなっ!俺とともみちゃんは運命という赤い糸に固く結ばれた2人や。
この先どんな障害があろうとも絶対乗り越えたるっ‼︎」
治「・・まじか。小学生並みに単純やな。」
佐々木「それに言い回しが古ない?」
こういうやり取りも何だか懐かしい…
本当に高校生の頃に戻ったみたい…。
治君と夕子ちゃんにいじられている侑君を見て思わず口元が緩んでしまう。
またこうして一緒に居られるなんて…
本当に奇跡かも。