第32章 侑end
彼女の言い方からしてムスビィの関係者なら誰でも夏希さんの事を知ってる、という事なのだろうか…?
でも何故選手の寮に?
しかも私を呼び止めてまで何の用があるんだろう…。
頭の中に疑問が次々と浮かんでくる。
「あのー、申し訳ありません。
ここの会社の事はよく分からいのですが、夏希さんは、、そのムスビィの方なんでしょうか?」
おかしな質問をしたつもりはないが、夏希さんはプッと吹き出した。
夏希「原さんて天然?それともめっちゃあざといタイプ(笑)?
私、一応モデルやってるんやけど最近はCMとか TVにも出たりしてるんよ?」
「えっ!すいませんっ‼︎私そう言うの疎くて…雑誌とかTV、あまり観ないので…。」
失礼な事を言ってしまったと思い、慌てて謝罪するが、本人はさほど気にしてないのか両手で頬杖をつき、面白いものを見るかのように口に綺麗な弧を描き、私を見ていた。
夏希「ふふっ、気にせんでええよ?
私ね、ここの選手と付き合ってるの。
勿論私の事務所とムスビィ公認でね。」
「あ、成る程、そう言う事なんですね。」
夏希「もうすぐ、彼が迎えに来るから、それまで少しだけお仕事の話、聞かせてくれる?」
「仕事の話…ですか?」
私の仕事の話なんて聞いてどうするんだろう、、と首を傾ける。