第22章 迷い。
重い瞼を擦り、久しぶりの制服に袖を通す。
始業式で朝練はないのに、練習熱心な3人は朝練と同じ時間に出て行った。
9月とはいえ、まだ暑さが残る朝の通学路をあやかさんと肩を並べて歩く。
あやか「ともみちゃん、隈出来てるし顔色悪ない?寝不足?」
「・・うーん。昨日あんまり寝れなくて。」
ハハ、と力無い笑顔を浮かべる。
あやか「・・まぁ悩むよな…イタリア行くか、こっちに残るか。」
「・・さすが、お見通しですね。」
隣を歩いていたあやかさんが、私の顔を覗き込むなり眉を寄せた。
あやか「・・何でそんな泣きそうな顔してるん?」
無意識だった。
心配そうな顔を浮かべるあやかさんに、私は歩きながら話を聞いてもらう事にした。