第9章 文化祭
「・・・ちょっと転んだだけです。私の事なんか気にしてないで、さっきの人のとこ早く戻ってあげて。」
だめだ。
込み上げてくる怒りが抑えられない。
嫉妬という得体の知らない感情に自分の気持ちがコントロール出来なくなってしまった。
侑「てかこっち見ろって。」
掴まれていた肩をぐいっと引っ張られ、無理やり向きを変えられてしまう。
侑「ッ⁈」
目を大きく見開く侑君を見て、私は慌てて傷を隠したが遅かった…。
侑「・・何やその傷・・!」
侑君の手が顔に伸びてきたが、私はそれを振り払う。
「だから!転んだだけって…。私、もう帰るから…。」
侑「いやいや、おかしいやろ?ともみちゃんさっきからおかしいで?何があったん?」
「おかしいのは侑君っ‼︎」
抑えてた感情が溢れ出してしまった。
侑「・・は?」