第7章 夏の思い出
ジリジリと照りつける太陽の元、私達は海水浴場に到着した。
すぐ近くで聞こえる波の音に心臓がドキドキと音を立てる。
砂浜には家族連れやカップル、若者達で賑わっていてカラフルなパラソルがあちこちに立てられている。
「・・・すごい」
初めて見る光景に思わず声が漏れる。
それにしても当たり前だけど、みんな水着なんだな…。
水着とはいえ、露出度は謂わば下着。
みんな抵抗はないのだろうか…。
あやか「ともみちゃん、大丈夫?」
足を止めた私をあやかさんは心配そうな顔で覗き込んできた。
「だ、大丈夫です。少し驚いただけです。
目のやり場に困りますね…。」
目を泳がせている私を見てあやかさんは吹き出した。
あやか「ブフッ、ともみちゃんホンマ可愛いな!中学の男の子みたいな反応やん。」
「た、確かにそうかもです…。胸、、とか大っきい人とかつい見ちゃいますもん…。」
あやか「それわかる!でもいい?ここはビーチ、という名の戦場や。あれ見てみぃ?」
あやかさんが指差す方へ視線を向けると…
先に場所を確保してくれている侑君達3人の元へ、ビキニ姿のお姉さんが近寄り何か話し掛けている。
「あれ?知り合いの方でしょうか?」
あやか「ちゃうちゃう‼︎逆ナンや‼︎ナンパされてるんよ。到着してまだ数分やで?」
「え⁈ナンパ⁇」
歳上らしきお姉さん2人組は美人でスタイル抜群だ。
女の私でも話し掛けられたらドキドキしてしまうだろう。
あやか「ほら、あの3人背高いし、見た目カッコ良いからかなり目立つやろ?女のツレがいないと思って女豹が寄って来たんや。」
確かに、あの3人が並ぶとかなり目立つ。
側を通り掛かる女の子はみんな頬を赤らめてチラチラと視線を送っていた。
「女豹…恐るべし、ですね。私達は他人のフリした方がいいですね。」
きっとあの3人も綺麗でスタイル抜群のお姉さんと遊びたいだろうし。
あやか「フフッ、どうやろ?あの3人の反応見てみたない?尻尾振って付いてく雄犬なのか、躾の出来たハチ公なのか。」
ニヤリと笑うあやかさんが時々小悪魔に見える…。