第18章 翔くんの病気疑惑、の巻
(い、いや違う!きっと良く似た人だ!!
この世には三人自分とそっくりな人が居るって噂だし、百歩譲ってあの彼だとしても、一緒に食事していたとは限らな…)
「あ、潤くんご馳走さま♡」
店から出て来た男前にめっちゃ笑顔でお礼を言う智くん
──ちぃーん(←またもや遠くで鐘の音が(笑))
「うふ……うふふふ……うふふふふ…(泣)」(←壊れた)
植え込みの木に頭を押し付けて独りでうふうふ笑う
ぼてぼてと足元に涙だか鼻水だかよだれだか解らない液体が垂れ落ちる
「あ〜…記事の確認に行かなくちゃなぁ〜…ふふ…こんな顔じゃ行けねぇなぁ…へへへ…」
(誰か垂れ続ける色んな液体を止めてくれ(泣))
俺はポケットからティッシュを取り出して顔中から噴出する液体を拭い取った
それから
恐る恐る智くんが居た方に目を向けると、もう其処には智くんの姿も松本くんの姿も見えなかった
(智くん……なじぇ……(泣))
俺はまた垂れだした液体達(←笑)を拭って植え込みから離れた
「あぁ〜…不肖の不能男、櫻井翔30歳、お仕事がぁ〜んばぁ〜りまぁ〜〜す…あははははぁ〜」(←最早只の不審者)
俺はへらへら笑いながら、愛妻と元彼が出て来たレストランへ入って行った