【MARVEL】This is my selfishness
第13章 11th
「えっ!いいの?!めっちゃ助かる〜」
『いえいえ、こちらこそ住みやすい環境をありがとうございます。じゃあ、ちょっと準備して持ってきますね』
そう言って階段を上がっていくと、お隣さんの玄関扉が開いた。
「Hi.」
玄関からひょこっと顔を覗かせたバッキーはどうやら寝起きのようだ。少し寝癖がついている。
『HI.』
返事を返すとのそ、、と玄関の影からバッキーが出てきて──────『ワッ、』わたしは顔をそっぽに向けた。
「?」
は、裸…!これは確実に寝起きだ!彼は確か寝る時はパンツだけ履いて寝るって言ってた!
さすがに自分の部屋以外の所ではそんな格好で寝ないらしいけど。
って今はそんなことはどうでもの良くて!
『そ、外出るなら服、着ようよ…』
「外って言ってもまだここまでだ」
顔を背けてるからここまで、がどこまでかはよく分からないけど、多分自分の部屋の前までだから良いだろ、とでも言いたいんだろう。
わたしの目のやり場が困るからやめて欲しいのだけれど。
『ソ、デスカ、、』
顔を背けたまま縮こまるようにして『ちょっと、ごめん、そこ通る、ね』とバッキーと柵の間を通り過ぎようとする。
「何か手伝えることは?」
と声を掛けながら彼がわたしの腕を掴んで引き止める。そのせいで顔をそっぽに向けていたのに顔も一緒にバッキーの方を向くことになった。
驚いて目を見開いてしまって、視界に肉体美が広がる。
以前見た時のように上半身裸にドッグタグ、下はズボンを履いている格好のバッキー。
前と違うのはシャワー後じゃないから濡れてないこと。
……これは視界の暴力だよ…!!!!!
「ミア?」
『っ、ハッ!!!』
目の前でひらひらと手を振りかざされて意識を取り戻す。大変、見蕩れてた。とても大変見惚れてた。
『あっ、えっとなんだっけ!』
「フ、俺に手伝えることは?って聞いたんだ」
小さく笑った後に伏し目から流し目に変わるような仕草でわたしを見てくるのは反則。いや、彼がすることはもう全部反則。セクシーすぎるっていうのは貴方のことを言うんですよって声を大にして言いたい。