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鬼滅の刃〜炎の絆〜

第3章 家族の絆ー後編ー


「無限列車で四十人以上もの人が消えている。そこへ送った隊士達とも連絡が途絶えた。…柱を向かわさなければならないようだ」

お館様が消えた人たちの身を案じながら静かに言う。

「杏寿郎、桜。君たちにお願いしたい」
「御意!!」
「御意」

大きな声でハキハキと返事をする杏寿郎と静かに返事をする桜。

「初めての合同任務だな!」
「そうね」

実は二人は鬼殺隊に入ってから今まで合同で任務をしたことがなかった。家を出てから暫くの間は杏寿郎を避けていたこともあり、お館様が気を遣ってくれていたのかもしれない。あくまでも想定だが。

柱になってからは那田蜘蛛山の時のように被害が大きい時以外は柱同士で合同任務に着くことは殆どない。

だから今回が杏寿郎と初の合同任務なのだ。

嬉しい反面、気を引き締めなければならない任務だ。柱を二人派遣すると言うことは、強い鬼…十二鬼月がいる可能性が高いのだろう。

産屋敷邸の庭を二人で歩いていると、桜はふと足を止めた。杏寿郎は「どうした?」と振り返る。

「杏寿郎、先に現地に行っててくれる?」
「む、一緒に行かないのか?」
「…任務前にちょっと寄りたいところがあるから」

「ダメかな?」と首を傾げて聞くと、「構わない!先に情報収集している」と快く返事してくれた。





「出陣ですか?」

二人で話をしていると、後ろから声をかけられた。

「胡蝶か!うむ、四十人以上が消え、隊士達とも連絡が途絶えたのでな」
「…十二鬼月でしょうか」
「上弦やもしれん」

しのぶは心配そうに二人を見るが、フッと笑顔に変える。

「煉獄さんならきっと大丈夫でしょう」
「え、しのぶ?私は??」

「私は大丈夫じゃないのぉ?!」と、少し善逸の真似をしてみた。そんな桜を見て「うるさいですよ」とピキピキと青筋を立てて今にも毒を打ち込んできそうな笑みで言われてしまい、口を閉じて大人しくした。

しのぶを怒らせてはいけない。

「…あなたのことは信頼してます。任務が終わったら久しぶりに甘味処に行きましょう、桜」

「約束、ですよ」といつも私が言う言葉を今回はしのぶが言った。

「うん、約束!」

行ってくるねー!と手を振り、杏寿郎と二人産屋敷邸を後にした。


「……お気をつけて」


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