第4章 Rally
「聞いてよ、ナオト。マイキーくんは不良だけどいい奴でさ……」
「は?!なんで殺さなかったんですか?」
「へ?」
ナオトの言葉にタケミチは変な声が出て、双葉は額に青筋を作らせていた。
『ちょっとまて。なんで万次郎を殺す必要があるんだ』
「なんで……って、姉を殺したやつですよ?!良い奴なんてわけないじゃないですか!!」
『殺したのは東卍の構成員であって、万次郎が直接手を下したわけではない。いくら君でも万次郎をそんなこと言うのは許せないよ』
「ですが……!そのマイキーはあらゆる犯罪に手を染め、警察でも手に負えない男なんですよ?!貴女もそれくらいわかっているでしょう……!」
確かにそうだ。
現実問題、佐野万次郎は東京卍會のトップ。
やってきたことは全て犯罪。それはわかっていたことだった。
でも、それでも、双葉はあのマイキーを見て、そんなことは絶対しないやつだということも知っていた。
「できることなら……この手で殺してやりたいくらいですよ……」
ナオトも姉をマイキーに失われたようなもの。
だからトップであるマイキーのことを強く憎んでいたのだ。
タケミチはなにを思ったのか、マイキーに会おうと言い出した。
『それが出来たら苦労はしない。元東卍だった……いちばん近くにいた私でさえ、今連絡も取れない状態だ』
「でもマイキーくんに会って、話を聞かないと!なんでこうなったか……東卍がどうしてこうなったかを……マイキーくんの本心を知りたいんだ……。過去に戻る前にもう一度」
タケミチはナオトにマイキーを探すのを手伝ってくれと頼む。
その言葉にナオトはため息をつき、何やら観念した様子を見せた。
「……過去で何があったかは知りませんが、変わりましたねタケミチくん」
「そーかな?どの辺?」
「ちょっっっっっと、だけですけどね」
『そんなに強調しなくても……』
そしてマイキーに会える方法を探すため、東京卍會の資料を眺めていた。
その間、双葉は兄である赤井に連絡を入れる。
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