第4章 Rally
翌日。
土曜ということもあり、双葉はゆっくりとしていた。
前日の夜にマイキーはパーちんの呼び出しで出ていき、夜中に帰ってきた。
そしてそのマイキーは今、ぐっすりと眠っていて、この調子では夕方まで寝ているかもしれない……と思いつつも、双葉はエマと2人で家のことをやっていた。
そして昼過ぎにはマイキーも起きてきて、昼ごはんをどうするか考えていたらマイキーがドラケンと3人で昨日のことを話すからとファミレスで済ませることにした。
いつも利用しているファミレスに着くと、既にドラケンが席に座って待っていた。
「ケンチン、呼び出しで悪いね」
「あぁ……でもなんで双葉まで?」
「一応、副総長と補佐には先に伝えときたいと思ってさ」
『それって昨日のパーちんの呼び出しのことと関係ある?』
「あぁ」
話す前に先に注文をした。
マイキーは例のごとく、お子様ランチ。
ドラケンはカレーで、双葉は明太パスタ。
飲み物も適当に頼むと、マイキーは口を開いた。
「実はパーちんのダチとその彼女が、新宿で白服の特攻服を着た連中に襲われたんだ。だけど、途中で偶然鉢合わせした奴がいたらしくてソイツのお陰で2人とも思ったより怪我はなかったらしい」
「なんだと……?!」
「といっても、ダチの彼女は骨にヒビ入ってるって言ってた」
(それって……昨日私が助けた人達じゃ……)
そう、双葉が昨日助けたカップルはパーちん……参番隊隊長である林田春樹の友人とその彼女であったのだ。
「彼女を家に送り届けた後に、パーのダチはまた襲われたらしい。んで、金巻き上げられて、親兄弟吊るされたって。ダチはパーに必死の思いで話してきて、それでパーが俺に連絡してきた」
「ソイツはひでぇな……んで、助けた奴って誰かわかったのか?」
「パーちんがダチに聞いたら、そいつは名乗らなかったらしい。でももし会えるとしたら礼は言いたい……」
「だな」
(それ私だって言ってしまうのは今後のことを考えて面倒なことになるから黙っておこ……)
双葉は申し訳なさそうに心の中でそう誓った。
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