第6章 【第四講 後半】マヨネーズは万能食だけど恋の病には効きません
二回以降、「すごいよコレ野球じゃん?」というプレーを見せ、意外や意外にも試合は進んで行った。
沖田が、近藤が、ファインプレイを見せる。
――L・O・V・E! オ・キ・タ!
――L・O・V・E! コ・ン・ド・ウ!
ベンチからは○○の黄色い声が飛ぶ。
「何で俺の名は呼ばねェ?」
その横で、銀八が不満タラタラな声を上げる。
「そりゃ、先生は選手じゃないですから」
「あの掛け声を提案したのは俺だぞ?」
新八が諫めるも、銀八は納得がいかない。
「バット貸せ。一発ホームランでも打ちゃ、○○の声援は俺のモンだろ」
「その前に退場を命じられますよ」
監督である銀八が打席に立つ権利はない。
「フレー! フレー! ギ・ン・タ・マ!!」
近くから発せられる銀八の不穏な空気も気にせず、○○は声援を送り続ける。
「ドカンと一発! かまえしちゃえー!」
白球を追う男子(一部女子)達、流れる汗、女子生徒(一人)の黄色い声援。
「L・O・V・E! カ・ツ・ラ!」
○○の声援を受けた桂が鼻血を噴いて昏倒するというアクシデント。
「L・O・V・E! ヘ・ド・ロ!……あ、ごめんなさい、ヘドロ様!!」
ズシンズシンと迫りくるヘドロ。
応援ありがとうと手を握られ、戦々恐々となる○○。
紛うことなき青春の一ページが、ここにある。