第2章 【第二講】第一講から遡ってる(略)番外編みたいなもんだから
「つーわけで、こいつは今日から俺のもん……じゃねーや、俺のクラスのもんだ。文句は受けつけねーぞ。つーわけで、□□はここ、俺から一番近い席に座れ」
銀八は桂の席を示す。
「ヅラ、お前は一番後ろに行け」
「ヅラじゃありません、桂です。そんな横暴は許せません」
キリッ! とした表情で桂が異を唱えた時、真ん中の席で一人の男子が立ち上がった。
「あ! 思い出した!」
妙ばかりで埋め尽くされた脳みその中から、近藤はようやく、○○の存在を探し当てた。やったね!
「うるせーぞ、ゴリラ。ケツの毛むしられてーのか」
「むしられたいです! スベッスベのおケツになりたいです! じゃねーよ!」
ノリツッコミを披露した後、近藤は声を上げた。
「あの時の! そこんとこの道で車に轢かれた子だろ!」
近藤の言葉に、○○は目を向けた。
○○は二年前、銀魂高校への入学を目前に控えたある日、高校の裏手で車に撥ねられた。
そして二年もの間、意識不明のまま入院していた。きっと凄まじい事故だったに違いない。わかんないけど。
その場に居合わせ、救急車が来るまで応急処置を施してくれた人物が、このクラス内に二人いた。