第57章 【第五十六訓】漫画キャラにとって読者は神様です
○○は身を潜めていた。
1、2、3、5、6、10、12、14、16位の七人と二匹と共に。
順位が変わらぬ1から6、一つ繰り上がっている10から14、そして16は二つ繰り上がっている。
場所はラブホテル『極楽浄土』。○○にとっても、勝手知ったる場所だ。
沖田によると屯所も襲撃を受けており、籠城は不可能だという。
「シッ!」
○○は唇に指を当てた。表から奇声が聞こえる。
潜伏がバレ、またモブ軍団が迫っているのだろうかと警戒する。
「誰も喋ってねーけどな」
そう言いながら、銀時は耳をそばだてる。
その横で沖田も外の様子をうかがっている。
「こいつァ……」
銀時は素早く部屋を出ると、またすぐに戻って来た。
一人の上位入賞者の襟首を掴んで。
「8! 無事だったんだ!」
「○○さん!! 銀さん!! 沖田さん!!」
新八は三人に順番に目を向けた。
彼は『8位』のまま変動はなかった。
「新八君が変わってないってことは……」
神威、山崎、月詠。
そのうちの誰かが順位を失っている。
そのうちの最も殺られているだろう人は……
「総悟、山崎って……」
この三人がバトルをすれば、真っ先に消されるのは山崎だ。
「山崎さんは、やられました」
答えたのは沖田ではなく新八だった。
数時間前に街で○○と会った新八は、その後、山崎とカフェで顔を合わせた。
人気投票について悶々とした想いを語り合った後、その悲劇は訪れた。
山崎は何者かに襲われ、136位まで順位を落としていた。