第21章 【第二十訓】『えいりあんVS侍の圖』の話
「山崎ィ」
「○○さん」
銀時と星海坊主と別れ、○○は救護テントに来ていた。
神楽が治療を受けていると星海坊主が言っていたため、心配だったので様子を見に来た次第だ。
「神楽ちゃん、知らない?」
しかしチャイナ姿の娘は見つからず、代わりに指揮にあたっていた山崎を見つけて声をかけた。
「そこにいましたよ」
山崎は振り返った。
○○も山崎の背後に目を向けたが、そこに神楽の姿はなかった。
「治療終えて戻ったんじゃないですかね」
「そっか」
どうやら、入れ違いになってしまったようだ。
「今回の件、大丈夫なの?」
幕府の重要建築物であるターミナルは崩壊。
さらに央国星ハタ皇子がいるにも関わらず行われた砲撃。
無事で済んだとはいえ、その事実は問題視されるはずだ。
「ターミナルの件はこれからですけど、央国星との件は大丈夫みたいですよ」
バカ皇子がマスコミの取材に対して自分がえいりあんを倒したと吹聴していると、行き来している隊士から聞いている。
その調子なら、訴えられることはないだろう。
「相手がバカで助かりました」
「ほんと、バカでよかったね」
救護テントを出ると、○○は再び銀時達のいる場所へと戻った。