• テキストサイズ

~月夜の紅~ 銀魂原作沿い小説

第21章 【第二十訓】『えいりあんVS侍の圖』の話


「どんどん増殖してるよ。何アレ気持ち悪い」

 定春の背にまたがり、銀時と○○はターミナルへと向かっていた。
 えいりあんはターミナルのエネルギーを吸収し、その姿を肥大化させていた。

「神楽ちゃん……」

 ○○は神楽の身を案じる。
 神楽といえども、あのえいりあんには苦戦している様子だった。
 定春は逃げる人波に逆らいながら、ターミナルへと疾駆する。
 定春は人の群れを飛び越えた。それは野次馬ではなく、真選組の面々だった。

「旦那ァ!? ○○も!」
「総……ごォ!?」

 背後から聞こえた沖田の声に、○○は目を向けた。
 その顔が目の前に迫った。沖田が近づいたのではなく、○○が定春の背から落とされたため。
 沖田は身を翻し、迫り来る○○をひらりとかわした。そのため、○○は地面に叩きつけられた。

「何すんの! 銀さん!」

 ○○は振り返ると、銀時を睨み上げた。
 沖田をクッションにして突き落としたつもりの銀時は、沖田に眼光を向けた。

「そいつを頼む」

 睨みの利いた瞳のまま出た声は、頼みの言葉だった。

「は?」

 声を漏らしたのは言われた沖田ではなく、倒れたままの○○。

「何言っ」
「神楽でも手に負えねー化けモンが相手だ。お前をあんな危険な場所につれて行くわけにはいかねェ」

 私も戦う。
 そう言うであろう○○の言葉を銀時は遮った。
/ 502ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp